AIで事務負担が半分になり、今まで以上に子どもたちと向き合えるように

認定こども園リアンかしい保育園(福岡県福岡市/職員数36名)

ヒナリーで作った掲示物とパソコンを手に並ぶ、認定こども園リアンかしい保育園の園長と先生方

課題

  • 保護者へ毎日一斉配信する連絡帳を、限られたお昼の時間に打ち込んでいた
  • 週案づくりは、長い人だと1時間ほどかかっていた
  • 挨拶の機会が多い園長の文章が、長年続けるうちに毎回同じような内容になりがちだった

効果

  • 事務作業の時間は体感で半分以上の短縮。連絡帳は半分の時間に、週案は15分ほどで作成できるように
  • ヒナリーが出したたたき台を読み込み、専門職としての表現やねらい・配慮を学ぶ流れができた
  • 活動ごとの注意点を事前に洗い出し、職員間で共有できるように
  • 職員が今まで以上に子どもたちと向き合えるようになってきた

福岡県福岡市の「認定こども園リアンかしい保育園」(社会福祉法人真祐会)は、子どもと保育者がともに主体となる「共主体」の保育を大切にしている園だ。職員間の連携を大切にしながら、子どもたち・保護者・職員同士のいずれにも丁寧に関わり、先生たちも子どもと一緒に楽しみながら「共に育つ」ことを目指している。

同園で保育AI「ヒナリー」の利用が始まったのは2025年秋。ガイドラインの整備と少人数での試用を経て、2026年4月から全職員が書類づくりに使えるようにした。主幹教諭で5歳児担任の縄村先生は、事務負担の短縮を「体感で半分以上」と話す。

導入が決まってから現場に根付くまでに何があったのか。園長、副園長、主幹教諭、4歳児担任の4名に話を伺った。

今回お話を伺った方

  • 石井 克子先生

    石井 克子先生

    園長

  • 石橋先生

    石橋先生

    副園長

  • 縄村先生

    縄村先生

    主幹教諭・5歳児担任

  • 千竃先生

    千竃先生

    4歳児担任・ICT担当

挨拶原稿から連絡帳、週案まで。毎日の「書く」仕事

まず、AI導入前に感じていた課題を教えてください。

石井 克子先生

石井園長

私は園長という立場上、行事などで挨拶をする機会がとても多いんです。ただ、長年続けていると、どうしても毎回同じような挨拶になってしまって、それでは自分でも面白くない。クレド(法人の行動指針)を盛り込みつつ、その年の子どもたちの姿も反映させたいといつも思っていました。

園が大切にしている保育について話す石井園長
千竃先生

千竃先生

AIを導入するとなって、最初に「ここから使いたい」と思ったのは、やっぱり文章作成です。

縄村先生

縄村先生

毎日、連絡帳で保護者の方にその日の様子を配信しているのですが、それを打つのにとても時間がかかっていました。打つのはお昼の時間で、その日あったことを全部お伝えするので、なかなか大変でした。週案も、長い人だと1時間くらいかかってしまうことがありました。

石橋先生

石橋先生

計画は専門職としての知識が必要な文章なので、そうした表現になっているかどうかも見ないといけません。例えば年間指導計画も、子どもたちが変われば毎年内容が変わるはずなのですが、チェックしていると「去年と同じだな」と感じるものもあって、書き直してもらうこともあります。

ヒナリーの導入が決まり、どう現場に下ろすかが課題だった

ヒナリーを導入するにあたって、どんなことから始めましたか?

千竃先生

千竃先生

ChatGPTはもともとプライベートでは使っていましたが、個人情報のこともあるので、業務利用で子どものことを相談するところまでは至っていませんでした。業務で使うとなると、ルールが必要です。
そこで、法人のICT担当でガイドラインを作りました。名前をフルネームで入れていいのか、セキュリティはどうか、といったところから確認し、「ヒナリーで出た文言をそのまま使わず、必ず一度目を通す」といったルールを決めています。

業務でAIを使うためのルールづくりについて話す千竃先生
石橋先生

石橋先生

ルールとして決めたのは、ヒナリーが作ったものを全部そのまま使うのではなく、一度目を通して、自分の思いや今の子どもたちの姿に合った計画になっているかを確認したうえで計画を立てる、ということです。

確かに、AIをどう使っていくかのガイドラインの整備は重要ですね。そこからどのように全職員での活用に広げていったのですか?

千竃先生

千竃先生

まずは、全職員に広げる前に、ICT担当の私を含めて2名ほどで使い始めました。

石橋先生

石橋先生

私が一番心配だったのは、若手の先生が文章を作らなくなることでした。文章を作らなくなるということは、結局、保育を考えなくなるということです。
ただ、使ってみないとわからないと思い、指導計画を0歳児から全部、ヒナリーに作らせてみたんです。すると、こちらが意図していることを、配慮やねらいまで含めて的確に文章にしてくれました。
ヒナリーが作ったものを見ながら、自分の知識として受け入れて計画に落とし込むのであれば、十分に活用する意味があると感じました。
そうして、園長とも相談して、2026年の4月の頭に「ヒナリーを使っていいから、書類や計画案などの作業を進めてください」と全職員に伝えました。

5歳児の年間指導計画。ねらいや保育の内容が、学期ごと・領域ごとに整理されている

事務作業の時間は体感で半分に。「書く仕事」が、「読んで考える仕事」へ

全職員で使い始めて、業務はどのくらい変わりましたか?

縄村先生

縄村先生

事務作業の時間は、体感では半分以上の短縮になっている感じがします。連絡帳は、自分の言葉で箇条書きにバーッと打って、「整えて」と伝えるとうまくまとめてくれます。週案も、長い人では1時間くらいかかっていましたが、今は15分くらいでできるようになりました。

石橋先生

石橋先生

専門職としてどう表現するのかをヒナリーが提案してくれるので、職員もそれを知識として自分の中に受け取って、だんだんと計画の質が上がってきたと思います。
活動によっては、注意しないといけないところや、職員と共有しておくべきところも網羅的に出してくれるので、若手職員もそれを見ながら「この活動ではこういうところにポイントを置いて保育をしないといけないんだな」という目安にできますし、職員会議での共有にも使えます。

ヒナリーを使うようになってからの計画づくりの変化について話す石橋先生
千竃先生

千竃先生

うちの園では、Instagramで園の情報を発信しているのですが、SNSに載せるショート動画に入れるテロップも、ヒナリーに考えてもらっています。「園のこういうところを伝えたい」と入れてお願いすると、目を引くような、短くてインパクトのある言葉を出してくれます。微妙だなと思ったら「他のも出して」「もう少し短くして」と返せば、そのたびに答えてくれます。キャプションの文章も、ヒナリーに作ってもらっています。

石井 克子先生

石井園長

課題だった園長挨拶の文章については、クレドを含めたらどんな挨拶ができるか、ヒナリーにいろいろ案を出してもらって、それを自分の言葉に取り入れています。子どもたちの姿も毎年違うので、その姿とクレドを踏まえて考えてもらうことで、私自身も勉強になり、表現の幅が広がりました。

縄村先生

縄村先生

ドキュメンテーションでも活用しています。ドキュメンテーションを作るときには、保護者に伝わりやすいように作らないといけないんです。専門用語を使うと伝わらないし、また長い文章だと読んでもらえません。簡潔にわかりやすく、かつクレドと交えて文章を作成してくれるのが助かってます。

ヒナリーで文章を作成した、子どもたちの活動のドキュメンテーションを手に話す縄村先生

子どものことを一緒に考える相手としての活用も

事務作業以外ではどのように活用していますか?

千竃先生

千竃先生

園児メモリに子ども一人ひとりのことを記録していっています。この前は、4歳児クラス全体の特徴をまとめて、これからどう保育を展開していったらいいかを相談したのですが、クラスの特徴と、こうしていくといいという提案を返してくれました。
子どもへの関わり方に正解はないと思いますが、それでもヒナリーに相談すると、「間違っていなかったんだ」と思えるような客観的な意見がもらえて、自信につながっています。

ノートパソコンでヒナリーを操作しながら、活用の様子を説明する千竃先生
石橋先生

石橋先生

私は、職員に何かを伝えるときに、まずヒナリーに相談して「こう伝えると伝わりやすい」というアドバイスをもらってから伝えることが多いです。

これから導入を検討する園へのメッセージ

最後に、ヒナリーの導入を検討している園の方へ、一言ずつメッセージをお願いします。

縄村先生

縄村先生

時間の短縮と、仕事を効率的に進めていくために、ヒナリーを導入して本当に良かったと思っています。何でもまず「ヒナリーにちょっと相談してみよう」とできますし、保育の内容など、そこから知識も得られるのですごく助かっています。

千竃先生

千竃先生

時間短縮だけでなく、自分の保育の幅も広げられると感じています。自分では考えつかないことや、ネットで検索しても出てこないことが出てきて、「こういう遊びがあるのか」という気づきにもなります。
AIに抵抗がある方も多いと思いますが、まずはその壁を取っ払って使ってみると、意外と使いやすいし、そんなに怖いものじゃないと思ってもらえるはずです。私自身もそうでした。とにかく使ってみてください!

石橋先生

石橋先生

最初はAIってどうなのかなと思っていましたが、職員が事務の時間を短縮できたことで、その時間を子どもたちのために、保育に一生懸命向き合えるようになってきたと、一緒に仕事をしていて感じます。利用することで、職員の専門職としての知識の幅が広がっていくのも見ていて感じるので、どんどん活用する価値があると思います。

石井 克子先生

石井園長

先生たちがAIを使って、職場自体が働きやすくなっていくことが、私にとっては一番なんです。ヒナリーは、みんながいい仕事をしてくれる職場にするための一つのツールになっていると思うので、導入して良かったと思っています。働きやすい職場づくりのためにも、ぜひ導入してもらえたらと思います。

ガイドラインで使い方の約束を決め、副園長自らが0歳児の計画から試して確かめたうえで全職員に広げたリアンかしい保育園。ヒナリーが出したたたき台を読み込み、専門職の目で確かめるという使い方が定着し、事務負担は体感で半分になった。短くなった時間は、子どもたちと向き合うことに充てられるように。書類づくりの道具にとどまらず、子どもやクラスのことを一緒に考える相手として、保育AI「ヒナリー」は同園の日常に根付いている。

認定こども園リアンかしい保育園の園長と先生方が、笑いながら話している様子
認定こども園リアンかしい保育園の外観。白とウッド調の壁面に「lien」のロゴが掲げられている

認定こども園リアンかしい保育園

社会福祉法人真祐会

所在地
福岡県福岡市東区香椎2丁目6-20
施設種別
認定こども園
職員数
36名
保育理念
子どもの最善の利益の保障/健やかな成長を支える保育/子育て支援/職員の基本姿勢
ヒナリー導入時期
2025年秋(2026年4月から全職員で本格活用)
主な活用シーン
連絡帳、週案・年間計画、保護者向け文書、挨拶の原稿、Instagram動画のテロップやキャプション、園児メモリを使ったクラスの相談、子どもとの活動の計画
ホームページ
shinyukai.net/kashii

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