今回お話を伺った方
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宮林 佳子先生
園長
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山本 薫先生
副主任
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西澤 春乃先生
3歳児担任
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平渡 優奈先生
1歳児担任
導入前に抱えていた書類業務の課題
導入前、書類業務ではどんなことに時間がかかっていましたか?
宮林園長
うちは絵画活動を保育の軸の1つに据えていて、毎年、作品展をやっています。この作品展に向けたレジュメ作成が、かなりの文字数になるんです。子どもたちがどんな活動に取り組んだかをまとめていくのですが、3歳児クラスだけでも作品が10作品くらいあって、それを全部まとめないといけない。しかも、そこに書いたものをA3用紙の掲示物用にもまとめ直す必要があって、これがすごく大変でした。年間の振り返りにもなる分量なので、思いがぐるぐるしてしまって、人に分かる文章にするのが毎年大変でした。
山本先生
作品展のレジュメは、クラス担任が書いたものを主任・副主任が確認して、直してもらって、また持ってきてもらって、というやり取りを、全クラス分、延々と繰り返していました。だいたい1か月くらいかかっていましたね。
西澤先生
文章を考えるのは好きなんですが、とにかく時間がかかるタイプで…。1つの中に伝えたいことを3つくらい入れたくなってしまって、それをつなぐ言葉が「また」ばかりになったり。
平渡先生
私も伝えたいことがいっぱいあって、結局長い文章になってしまい、何を伝えたいのかがぼやけた文章になってしまうことがよくありました。
ヒナリー導入後の書類業務の変化
ヒナリーを導入して、書類業務はどのくらい変わりましたか?
山本先生
ヒナリーのおかげで、担任の先生が作成したレジュメの文章が良くなって、これまで1か月くらいかかっていた作品展のレジュメの確認が、今では1〜3回くらいのやり取りで済むようになりました。
西澤先生
レジュメ本体とは別に、レジュメの文章を掲示物用の短い説明書きに落とし込む必要があるのですが、その作業もヒナリーに入れたら一瞬で終わるようになりました。
平渡先生
1分くらいでできますよね!
保育に生成AIを使うことへの不安と葛藤
保育に生成AIを使うことに、不安はありましたか?
宮林園長
私は保育業界に長くいて、AIと保育がどう結びつくのか未知というか、むしろ合わないんじゃないかという立場でした。うちの園の保育理念は「認められ、認め合う喜び」で、「1人1人違っていい」を大切にしているので、AIで何かをすると画一化してしまうんじゃないかという漠然とした不安がありました。
山本先生
はじめはAIに頼りすぎて、自分で考えるということをしなくなってしまうんじゃないかという心配がありました。
平渡先生
私はもともと、子どもたちがYouTubeなど電子機器に触れることにもあまりいいイメージを持っていなくて。AIも同じような感覚で、保育に使うのはどうなのかなと少し思っていました。
西澤先生
保育で使うとなると、AIの方に占領されて「AIが保育してしまう」ような感じになるんじゃないかと思っていました。
ChatGPTではなく保育特化AI「ヒナリー」を選んだ理由
ChatGPTなど他の生成AIも検討されたと思いますが、ヒナリーを選んだ決め手は何でしたか?
宮林園長
ChatGPTなども試しましたが、「3歳児の発達に合わせた○○」というような質問をしても、人によって違う答えが返ってくることがありますし、何より理念に沿った形の回答が得られません。職員全員が、うちの理念に沿って保育していくという意味では、使いにくいと感じました。ヒナリーだと保育の理念や、うちが軸にしている絵画活動のテキストのようなものまで設定として落とし込めます。そうすることで、職員みんなが同じ方向を向いた回答にたどり着きやすくなると思いました。
平渡先生
ヒナリーを通すと、保育用語に直してくれたり、分かりやすい文章で簡潔にまとまって出てくるのが便利だなと思います。ChatGPTと違って保育に特化しているところが魅力的です。
西澤先生
(保育の文脈で聞くと)やわらかい、丸みのある言い方で返してくれるのを感じます。うちの理念も入っているので、「こちらの文章の方が理念に合っていると思います」というように、選ぶ基準も示してくれます。
生成AIを実際に導入してみて
導入は段階を踏んで進められた。まず園長が1人で約3か月試し、次に園長・副主任・主任・事務職員の4人で試用。そのうえで全体研修とAIガイドラインの整備を行い、直後の2月の作品展で全職員が実践投入する、という流れだった。
実際に導入してみて、現場ではどうでしたか?
宮林園長
自分が生成AIで文章を作ってみる中で、「入れ方次第なんだな」と分かってきました。同じような内容を入力したとしても、少し違うことを足すだけで違う答えが返ってくる。特にヒナリーは園の理念を学習しているので、当初懸念していた「画一的な保育」にはならないんだ、と実感できたのが大きかったです。
それと、今まで主任・副主任が一手に引き受けていた確認作業がなくなりました。
山本先生
新人保育士と共有する職員ハンドブックの更新に、ヒナリーが大活躍しました。
これまでは1週間くらい掛けて更新していましたが、「不適切保育を新人保育士に伝えるには?」という問いかけから、5~6回のやり取りを重ねて15分ほどでまとまりました。
ただ時短になるだけでなく、「うちの園ではこういうことを大事にしていきます」と理念に結びつけて締めてくれるのがいいなと思います。
西澤先生
接続詞が「また」ばかりになっていたのが整理されたり、きつい言い方を柔らかくしてほしいと伝えると、保育業界らしい柔らかい言葉で返してくれます。何か聞くと最初に「とてもいいですね」と言ってくれるのも、地味に嬉しいです(笑)
平渡先生
困ったときにすぐ聞けるパートナーができた感じです。業務時間が短くなった分、子どものことを考える時間に使えるようになったのが、自分にとって大きいです。
西澤先生
「AIが保育を占領してしまうのでは」と思っていましたが、自分の伝えたいことや大事にしていることをちゃんと自分の中に置いて使っていけば、より良いものになっていくんだなというのを、今は日常的に感じています。
このほか、節分の日に鬼や柊鰯の由来を説明する画像をヒナリーで作って子どもたちに見せたり、発表会の台本(園名の由来にまつわる話)づくりに活用したりと、文章以外の場面での活用も広がっている。
今後の活用に向けた展望
導入から1年が経った今も、4人は「これで完成」とは考えていない。日々の活用を通じて、園に合った使い方を少しずつ更新し続けているという。
今後、ヒナリーをどんなことに活かしていきたいですか?
宮林園長
クラスごとの年間テーマや活動の方針も、ヒナリーに落とし込んでいけるといいなと思っています。木曜日のクラス会議で次の活動のアイデアを考えるときや、クッキングのような活動でも、使ってみると新しい広がりが出るかもしれません。
平渡先生
確かに、クラス会議で新しいアイデアも出そうですね。
西澤先生
子どもたちの調べ物も、今は図書館に行って調べているのですが、ヒナリーに聞けばもっと広がりが出るかもしれません。本を借りてまた返す、という手間もなくなりますし。
山本先生
発表会の歌に狐のラップを入れようとして、ヒナリーで歌詞は作れたのですが、今後はメロディーまで作れるようになってくれるとうれしいです。
栄養士も食育関連の資料作成にヒナリーを活用しており、今後は保育以外の職種にも活用の幅が広がっていきそうだ。
数ある生成AIの中でも、保育に特化した生成AI「ヒナリー」を選んだことで、書類業務の負担軽減だけでなく、職員同士の対話や保育の質そのものにも変化が生まれている。
さくらぎ保育園
社会福祉法人さくらぎ会
- 所在地
- 東京都西多摩郡日の出町平井661
- 職員数
- 40名
- 保育理念
- 認められ、認め合う喜び
- 保育の特色
- 絵画活動を軸とした創造的な保育
- ヒナリー導入時期
- 2025年9月
- 主な活用シーン
- 作品展のレジュメ・掲示物、おたより・園だより、職員ハンドブックの更新、画像生成
- ホームページ
- sakuragihoikuen.jp